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愛する娘へ

お早う！

今日はとても顔色がいいですね。ホッとしました。いつも苦労している前髪も今日はバッチリです！あなたは親ばかだと苦笑いするけれど、可愛すぎてヘンな虫がつかないかと今からとっても心配！

昨夜は良く眠れたと聞いて、ママは心底うれしくて,ちょっとウルッてきました。それに、薬も飲まずに眠れたのでしょう？あなたも嬉しそうで、よかったね。

先月は本当に大変だったね。だけど、これがスタート地点だよ、これからもまだまだいろいろあると思う。でも今この試練を乗り越えたら絶対成長するよ！もっと後になって「ああ！こんなことあったな！なんであんなことで悩んだんだろう」って思う日が来る。とは言わない！だって現在苦しいんだモノね。いつか笑えるなんて普通なかなか思えないものよ。あなたやママみたいにネガティブな人はね！

お正月が明けて、学校が始まって三日後だった？体調が崩れたの。

朝、起こしに行く度に「昨夜は一睡も出来なかった」とげっそりとした顔で言われ、遅刻して行くことが増えた。そんな状態がどんどん続いて、学校も休みがちになって、一月の末近くには十日も休んじゃった。顔色も悪く、食欲も無くなってどんどん痩せてゆくのがわかった。「わー！ママスカートがゆるゆるになった！」あなたは笑いながら言ったけど、そりゃママも 「そんなんで、痩せてもダメじゃん！痩せたんじゃなくやつれたんだよ！」と笑って返したけど、内心は「どうしよう！この子死んじゃう！」って気が気じゃな かったんだよ！

最初は、お正月の昼夜の逆転生活が原因だと思ってた。

白状するけど「この子は甘えているだけじゃないか？ほんとはもっとがんばれるけど、怠けているんじゃないか？」と思ってしまうことも正直あったんだ。ごめんね！

睡眠障害！！ストレスが原因とわかって、いろいろ試したね。

むりやり起こして、朝日を浴びて適度な運動。ママが調べた治療法です！一緒に朝ラジオ体操やったね。第二体操なんか二十五年ぶりだよ！漢方薬にマッサージ！あなたは昼に眠らないようがんばっていた。

でも、始めのうちは、薬を飲んでも夜眠れなくて辛そうだった。本当は寝かせてやりたい！休ませてあげたい！でも、今寝かせてはだめだ！毎日、何度も葛藤していたよ……

一番効果があったのは、あなたの相棒（双子の片割れ）とママと三人で腹を割って話し合ったことかな。

彼女は「ちょっとキツイかもしれないけど──」と思っていることを正直に、でも愛情もってあなたに話してくれたね。

クラスのお友達たちに誤解されつつあるということを。

「体調が悪くて言葉数が少ないので、機嫌が悪いと誤解されている。」

「ただ眠いだけで学校休んだり、マラソンなど辛い体育はすぐ休むのは甘えてるの？」

とかね……

「どんなに、しんどくて、辛くても明るくしないといけないの？」搾り出すような声であなたは泣きながらイスに座り込んだ。でも、後ろ向きで泣いていたから気付かなかったかもしれないけど、相棒も心苦しそうに目を瞑って話していたんだよ。ママもほとんど泣きそうだった！

そうだよね。友達なら分かってほしいよね。

風が冷たくひどい時は、走るとジンマシンが出ることや、睡眠障害の辛さは本当に本人しかわからないんだよ。

あなたが仲良くしていた〇〇ちゃんと〇〇ちゃんが、実はあなたをちょっと好きではないらしいと聞いて声を上げて泣いたね。あなたの言葉の少なさ、分かってくれるだろうという甘えが原因。もちろん、彼女たちの偏った見方もあるよ。でも……

「漫画や、テレビドラマみたいに人は人を容易く理解出来ないんだよ。言葉にしなきゃ！しんどい時はしんどいと言えばいい！今眠いだけだから気にしないでとか、とにかく口に出さなきゃ！わかってオーラを出しているだけじゃダメ！辛いときは助けを求めればいいの！もちろん、自分も努力することを忘れてはだめ！ジンマシンを引き起こさないためにも、甘いものをもう少し減らすことや、早く休む為に勉強は前倒しで済ませることとか、それに、その努力をお友達に話しなさい！ぜったい助けてくれるから！ちゃんと相手と向き合って受け入れてくれる友達が本当の友達だよ。それでも去ってゆく友達は離れてしまえばいいの」

そんなふうに話しながら、実はママね「わたしの娘を嫌うなんて、こっちから願い下げよ！あぁ、魔法が使えたらクラスメイトに変身して、友達だったらもっと理解しろ！一言いってやりたい！いや！とっちめてやりたい！」なんて思ってた。ほんと、親ばかだね！我が子を前にすると、本当に正しいことと感情との戦いだよ！

相棒も言ってたでしょ。

「正直になりなよ！みんな助けてくれるよ！優等生じゃなくったていいじゃん！もっと孤立してる子いるよ。まだ、今だったら大丈夫、誤解なんかすぐ解ける」

とにかく、ママはいつでもあなたの味方だよ！どんなにあなたがわがまま言ってもふて腐れていても、そんなことで嫌いになったりしない。こうだから好き！とか限定付きじゃない！あなたそのものが大好きだから！

あなたが悲しんだり苦しんだりする時、出来ることなら代わってあげたい！出来ることなら、世の中の危険や歪み汚さに打ちのめされない様に、家に閉じ込めて守っていたい！

でもあなたの成長のために、この独りよがりな過保護な思いを断ち切って日々外へ送り出しているんだよ。

わーん！ママだって闘ってるんだよ。

どんなにママがあなたを愛していても、ママはママで、お友達にはなれない。あなた人生、あなたにしか作れないの。

お友達とのことだけじゃなく、これからもきっといろんなことがある。今よりもひどいことがあるかもしれない。やっぱり、人はみんなひとりぼっちなんだと、悲しむことも。

でも、大丈夫！

あなたは独りじゃない！

あれから頑張ってるね。多少しんどくてもあなたが自分自身をプッシュしてるのがわかる！あのあれこれ言ってた友達とも仲良くしてるじゃない！すごいよ！

あの号泣した次の日、がんばって学校いって良かったね。「昨日泣いたでしょ？」って別のお友達が気づいてくれたんだよね。その後話し聞いてくれたんでしょ！

ほら！絶対ひとりぼっちじゃない！

ママはいつだってあなたのチアリーダーです！

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