「頭が痛くて夜も眠れません。脳のCT撮ってもらっても何ともないんです。
肩こりが原因だろうと言われました。何とかなりませんか？」‥‥と、うめく様にいわれました。
脳外科の帰りに初来院された７０代の女性です。
３０代の頃から肩こりが酷く、あん摩とハリに通われていたそうですが、どちらも閉院になったそうです。

「３時間位しっかり揉んでもらって、最後にハリしてもらうとスッキリしていました」

３時間と聞いて、とにかくまず身体をしっかりと診させて頂きました。
肩を診ると表面は柔らかいですが、皮膚下５ｍｍ位はまるで厚いゴム板がびっしりと張り付いているみたいに硬い！！

こりゃ手強い‥‥。

横になって頂き脈を診ると左関上、肝の見どころが指をずっと沈めて行っても筋張っており、左尺中はスコーンと虚しており、
典型的な肝実の脈です。
刺さないハリの「テイシン」で腎経の金穴復溜、三焦経の原穴陽池を営気の手法で補いました。
脈が落ち着いたところで、本人が刺すハリを希望した為患部にもハリ。
治療時間はたった１５分位。

３日後に再来院。

「治療直後はそれ程変化を感じてませんでしたが、
その日から良く眠れるようになりました」と、晴れやかな表情。初来院の時と違い明るく、美容院に行かれたのか髪もスッキリです！！

初診時とは打って変わって二回目の治療間中、ずっとおしゃべりされていました。
ハリが良く効いた患者さんでした。

全日本鍼灸学会に参加して来ました。
痴呆に対する鍼灸治療で、日本で最も本格的に取り組んでいる吉村春生先生の講演です。
呉市地区鍼灸師会の理事をやらせて頂いているのですが、半年ほど前、吉村春生先生に呉市地区鍼灸師会での講演依頼をしていた経緯があります。
前日の懇親会にも参加し、お話を伺いました。
詳しい話は長くなるのでここでは書きませんが、吉村春生先生考案の皮膚を擦る”擦過鍼”は痴呆に効果がありそうです。
特に「意欲の低下」と「うつ」の点で著効が見られるとの事。
現在大阪で、医師と協力しながら科学的根拠を証明するための（エビデンス）データを集めている最中です。
実技公開では私がモデル患者役になり吉村先生に実際に擦過鍼施術をして頂きました。
全く安全で非常に気持ちが良かったです。

当院でもこの痴呆治療の”擦過鍼”を近々取りいれる事に致しました。
施術希望の方はお問い合わせください。